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湯飲み茶碗が割れました。まあ、陶器は割れますよね、使っていれば。
陶器の伝統的な修理手法は、漆と金継ぎです。身体に害がないので、古来から使われている修理方法です。
しかし、漆にかぶれる体質の私には利用したくない方法です。
では漆の代わりに何を使いましょう。陶器用の接着剤はいくつかあります。2剤を混ぜて使用するエポキシ接着剤などは強力にガッチリと固定してくれます。しかし、注意書きには「食器には使用しないでください」とあります。実際には、まあ大丈夫とは思いますけどね。では、ご飯粒なら安全? いえいえさすがに強度不足です。
そこで今回登場するのが、「Titebond(タイトボンド) Ⅲ」です。Titebondは米国Franklin社製の接着剤で、日本でも容易に入手可能です。
表示のとおり、「木工用ボンド」なのですが、耐水性であることと、FDA(アメリカ食品医薬品局)による食品安全性承認があるという点に惹かれて使ってみます。
接着剤を塗ったらすぐに貼り合わせて固定する、というのがよくある接着方法ですが、実は接着剤によって最適な接着方法が異なります。まずは説明書きを読んでみましょう。
日本語の説明書きには、「接着剤塗布後、10分以内に貼り合わせてください。」とあります。塗ったら急いで貼り合わせる、普通の方法でよいということでしょうか。
念のため、Franklin社のウェブサイトを見てみましょう。すると、そこには、「Open Time 8-10min.」、「Total Assembly Time 20-25min.」と書いてあるではないですか。
Open Timeとは、接着剤を塗ってから貼り合わせるまでの待機時間、Total Assembly Timeとは、固着するまでの時間です。
つまり、この接着剤は、塗ってすぐに貼り合わせるのではなく、8~10分経ってから貼り合わせるということです。
このような接着剤は接着面の両側に塗ります。
今回は割れた鉢受け皿の修理も行います。食器ではないので、エポキシ接着剤でもよいのですが、湯飲み茶碗と同じく、Titebond Ⅲで修理します。
Titebond Ⅲの見た目と臭いは一般的な木工用ボンド(コニシやセメダインなど)と同じですが、それらよりもサラサラとした感じです。
これを双方の断面に多めに塗布します。水漏れを防ぐため、多めに塗ります。塗布後8~10分後に貼り合わせますが、その段階ではみ出た分は拭き取れます。
湯飲み茶碗の方は、貼り合わせ後、固着するまで輪ゴムを巻いて固定しておきます。
25分で固着となっていますが、24時間ほど固定しておけば完璧でしょう。
ちなみに、Titebond Ⅲは65℃以上になると強度が1/5に落ちてしまうそうですが、そもそもの強度が十分なので、熱湯を入れても、電子レンジでチンしても、普通の力で破損することはありませんでした。
湯飲み茶碗も鉢受け皿も修理完了です。合わせ目の跡は残りますが、接着剤自体は薄い茶色なので、気になりません。水漏れテストの結果も良好です。
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