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当時、日本ではアメリカ訛りで「タイレル」と読んでいましたが、現代では「ティレル」と呼ぶ方が主流です。
今の40~50代以上の男子であれば、F1は知らなくても、このタイレル6輪車のことは知っているのではないでしょうか。
1967年にデビュー。翌年までの僅か2年弱しか走らなかった割にはあまりにも有名なこのマシンを作ります。
設計したのはデレック・ガードナーという人です。なぜこのような発想が生まれたかというと、ひとつは空気抵抗です。この時代は空気の流れの重要性はすでに認識されており、前輪で空気の流れが乱され、空気抵抗低減とダウンフォース獲得に各チームとも頭を悩ませていました。
そこで、前輪を極端に小さくしてフロントスポイラーの陰に隠し、空気抵抗を減らそうとしたわけです。ただ小さくしただけだと、接地面が減る分、グリップも減ってしまいますので、タイヤの数を増やしたら6輪になりました。タイヤを6輪にすると、ブレーキも6個になりますので、制動力も増したというわけです。
しかし、その分機構が複雑になりますので、壊れやすいという大きな欠点もありました。
戦績の方はどうだったかというと、初年度1976年のスウェーデンGPでJ・シェクターとP・デパイユが1-2フィニッシュを決めるなどの活躍を見せ、年間コンストラクターズも3位の好成績を残しました。
翌1977年は優勝こそ出来ませんでしたが奮闘、しかし頻発するトラブルには勝てず、6輪車はこの年で終焉を迎えます。現在のF1レギュレーションでは車輪は4輪であることと規定されていますので、最初で最後の6輪車だったわけです。
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